目次
「フィリピンは治安が悪い」といったイメージを持つ人は少なくありません。しかし実際には、観光地や語学学校周辺など多くの地域で、適切な注意を払えば安全に過ごすことが可能です。もちろん、一部地域には武装勢力が存在するなどのリスクもあるため、正しい知識と情報に基づいた行動が欠かせません。本記事では、フィリピン全体の治安状況を客観的なデータで解説するとともに、地域別のリスク、安全対策、避けるべき行動など、安心して滞在するための実践的な情報を詳しくご紹介します。
- フィリピンの治安に関する全体像
- 観光客や留学生が巻き込まれる犯罪の傾向と頻度
- マニラ・セブ・ダバオなど主要都市の治安レベルと特徴
- 絶対に避けるべき危険エリア
- 夜間のリスクが高い時間帯・エリアとその理由
- 観光客が気をつけるべき10の具体的な安全対策
- 現地で巻き込まれやすい詐欺・窃盗などの手口と回避法
- トラブル発生時の連絡先
- 滞在中の安全を高める便利なツール
- フィリピン滞在前に行うべき情報収集と備えの重要性
- 日本人が狙われやすい理由と、目立たない行動の工夫方法
- 留学・観光・ビジネスそれぞれに適した安全な都市選び
フィリピンの治安は本当に悪い?全体像と特徴
フィリピンの治安について「危険」「治安が悪い」というイメージを持つ人は多いですが、実際のデータを見ると、必ずしもそのイメージ通りではありません。外務省の海外安全情報によると、フィリピンの大部分は「レベル1:十分注意してください」に分類されており、これは韓国やタイなどの他の東南アジア諸国と同程度の安全レベルです。
国際的な犯罪統計を見ると、フィリピンの殺人発生率は人口10万人あたり約4.32件で、これは確かに日本の約30倍と高い数値ですが、中南米諸国(20~60件台)と比較すると中程度の水準です。重大な犯罪被害に遭う確率は非常に低く、適切な注意を払えば安全に過ごせることがわかります。
重要なのは、フィリピンの治安状況は地域によって大きく異なることです。マニラ首都圏やセブなどの観光地では警察の体制も整っており、外国人向けの安全対策も充実しています。一方で、ミンダナオ島南部など一部地域では武装勢力の活動があり、外務省からも渡航中止勧告が出されています。
フィリピンの治安事情:基本的な傾向
フィリピンの治安統計を客観的に分析すると、以下のような傾向が見えてきます。まず、犯罪発生率は年々改善傾向にあり、2016年から2023年にかけて全体的な犯罪件数は約15%減少しています。これは政府の治安対策強化と経済成長による社会情勢の安定化が影響しています。
国名 | 殺人発生率(10万人あたり) | 外務省危険レベル | 観光客被害率 |
---|---|---|---|
日本 | 0.3件 | ー | 0.001% |
シンガポール | 0.2件 | レベル0 | 0.001% |
タイ | 2.4件 | レベル1 | 0.005% |
フィリピン | 8.9件 | レベル1(大部分) | 0.008% |
インドネシア | 0.4件 | レベル1 | 0.003% |
注目すべきは、殺人発生率は高くても、留学生を対象とした犯罪の発生率は他国と大きな差がないことです。これは観光エリアでの警備強化や、外国人を狙った犯罪への取り締まり強化が効果を上げているためです。
地域別に見ると、マニラ首都圏の犯罪発生率は全国平均の約1.3倍ですが、これは人口密度の高い大都市としては一般的な水準です。セブ市については全国平均の0.8倍と、比較的安全な数値です。
フィリピン政府の治安対策とは?
フィリピン政府は観光産業の重要性を認識し、治安改善に積極的に取り組んでいます。マルコス現政権では、前ドゥテルテ政権の薬物撲滅作戦を継承しつつ、より人権に配慮したアプローチで治安維持を進めています。
具体的な取り組みとしては、観光警察(Tourist Police)の配置拡大があります。全国の主要観光地に観光警察が配置され、留学生の安全確保にあたり、外国人からの相談や通報に24時間対応しています。
予算面では、国家警察の予算が増額されており、装備の近代化と人員増強が進められています。また、観光地での監視カメラ設置も積極的に行われ、主要観光地では設置密度が5年前の約3倍に増加しています。
テロ対策については、2020年に制定された反テロ法に基づき、情報収集体制の強化と国際協力の推進が図られています。特にミンダナオ島では軍と警察の合同作戦により、武装勢力の活動範囲が大幅に縮小されており、以前は危険とされていた地域の一部で安全レベルが改善されています。
避けるべき危険エリアとその理由
フィリピン滞在時の安全確保には、リスクレベルに応じた適切なエリア選択が不可欠です。危険度を3段階に分類すると、「絶対回避」「要注意」「通常注意」に分けることができ、それぞれ異なる対応が必要です。

絶対回避エリアは外務省の「レベル3:渡航中止勧告」が出されている地域で、観光・留学目的では絶対に立ち入ってはいけません。要注意エリアは犯罪発生率が高く、十分な準備と現地での警戒が必要な地域です。通常注意エリアは一般的な海外渡航時の注意で対応可能ですが、夜間や人通りの少ない場所では警戒を強める必要があります。
安全性の判断基準は、犯罪統計、政府の警備体制、現地の経済状況、インフラ整備状況、外国人コミュニティの有無などです。これらの情報を事前に収集し、自分の滞在目的とリスク許容度に応じて適切なエリアを選びましょう。
ミンダナオ島の一部地域(テロ・武装勢力のリスク)
ミンダナオ島南部および西部の一部地域は、外務省から「レベル3:渡航中止勧告」が発出されており、観光・留学・ビジネスを問わず、日本人は絶対に立ち入ってはいけません。
レベル3地域(渡航中止勧告)
- バシラン州全域
- スールー州全域
- タウィタウィ州全域
- ザンボアンガ・デル・ノルテ州シオコン市、セルヒオ・オスメーニャ・シニア市
- ザンボアンガ・デル・スル州の一部(ザンボアンガ市を除く)
- ラナオ・デル・スル州の一部
- マギンダナオ州の一部
- コタバト州の一部
危険な理由
これらの地域では、アブ・サヤフ・グループ(ASG)、イスラム国関連組織、新人民軍(NPA)などの武装勢力が活動しており、爆弾テロ、誘拐、銃撃戦が頻発しています。2023年には外国人を含む市民が誘拐される事件が複数発生し、身代金要求や殺害事件も報告されています。
フィリピン軍は継続的な掃討作戦を実施していますが、武装勢力の完全な排除には至っておらず、治安情勢は依然として不安定です。これらの地域への渡航は、どのような目的であっても生命に関わる危険があるため、絶対に避けてください。
また、ダバオ市など比較的安全とされるミンダナオ島の都市部でも、周辺地域の治安情勢の影響を受ける可能性があるため、最新の治安情報を常に確認し、不要不急の移動は控えることが重要です。
マニラのスラム街・危険地区
マニラ首都圏には犯罪発生率が極めて高い危険地区が複数存在し、留学生は絶対に近づいてはいけません。これらの地域は昼夜を問わず危険で、道に迷って入り込んだだけでも強盗や襲撃の被害に遭う可能性があります。
絶対回避すべき地区
- トンド地区(Manila市北部)
- マニラ最大のスラム街で、薬物取引、銃器犯罪が日常的
- パサイ市バクラロット地区
- 違法薬物の製造・販売拠点
- マニラ市ディビソリア周辺
- 夜間は特に危険、スリ・ひったくり多発
- ケソン市パヤタス地区
- ゴミ山周辺のスラム街、外国人の立ち入りは極めて危険
要注意地区(夜間は特に危険)
- マラテ地区の一部
- 観光地だが夜間の裏通りは危険
- エルミタ地区
- ホテル街だが治安の悪いエリアが混在
- カローカン市の一部
- 工業地帯で外国人が狙われやすい
危険な理由
これらの地域での主な犯罪は、武装強盗(90%以上が銃器使用)、薬物がらみの暴力事件、誘拐、性的暴行です。特にトンド地区では2023年だけで外国人が関与する重大事件が20件以上発生しており、そのうち3件は殺人事件でした。
安全なエリア
マカティ市中心部、BGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)、オルティガス・センター、モール・オブ・アジア周辺などです。これらのエリアは警備が充実しており、24時間体制で安全が確保されています。
夜間の一部地域(マニラ、セブなど)
主要都市でも夜間(午後9時以降)は犯罪発生率が昼間の約3倍に跳ね上がるため、エリア別・時間帯別のリスク評価が重要です。特に午後11時以降は、比較的安全とされるエリアでも警戒レベルを引き上げる必要があります。
マニラ首都圏の夜間リスクレベル
エリア | 午後9~11時 | 午後11~午前5時 | 安全な夜の過ごし方 |
---|---|---|---|
BGC中心部 | 低リスク | 中リスク | モール内・ホテル内・宿泊施設内 |
マカティ・アヤラ周辺 | 低リスク | 中リスク | 大通り沿いのみ |
マラテ・エルミタ | 高リスク | 極高リスク | 外出非推奨 |
イントラムロス | 中リスク | 高リスク | ガイド同行必須 |
セブの夜間リスクレベル
エリア | 午後9~11時 | 午後11~午前5時 | 注意点 |
---|---|---|---|
ITパーク | 低リスク | 中リスク | 警備員駐在エリア内のみ |
アラヤモール周辺 | 低リスク | 中リスク | タクシー利用推奨 |
ラホグ | 中リスク | 高リスク | 飲酒時には特に注意 |
コロン | 高リスク | 極高リスク | 夜間立ち入り禁止 |
夜間外出がやむを得ない場合の安全な移動手段として、配車アプリ(Grab)の利用を強く推奨します。料金は通常のタクシーより20~30%高くなりますが、運転手の身元確認ができ、GPSでルート追跡されるため安全性が格段に向上します。
また、夜間営業のレストランやバーを利用する場合は、往復の交通手段を事前に確保してから外出しましょう。一人での夜間外出は絶対に避け、必ず2名以上で行動することが鉄則です。
「安全なエリアにある語学学校を知りたい…」そんな方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
フィリピンで気をつけること10選
フィリピン滞在中の安全を確保するためには、現地特有のリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。以下の10項目は、実際にフィリピンで発生している犯罪や事故の傾向を踏まえた、実践的な注意事項です。これらのポイントを意識することで、トラブルのリスクを大幅に軽減できます。
夜間の一人歩きは避ける
フィリピンでは夜間の犯罪発生率が日中と比較して大幅に上昇するため、日没後の一人歩きは絶対に避けましょう。特に観光地やバーエリア、住宅街の路地などでは、強盗や窃盗事件が頻発しています。現地では午後6時頃には日が沈むため、思っているより早い時間から注意が必要です。
どうしても夜間に外出する必要がある場合は、信頼できる同行者と一緒に行動し、明るく人通りの多い大通りを選んで移動しましょう。滞在先からの移動には、事前に予約したタクシーや配車アプリを利用することをお勧めします。また、夜間の外出時は貴重品を最小限に抑え、現金も少額のみ持参するなど、万が一の被害を最小限に抑える準備をしておくことが重要です。
貴重品は最小限にする
フィリピン滞在中は、外出時に持参する貴重品を必要最小限に抑えることが安全の基本です。パスポートや多額の現金、高価なアクセサリーやブランド品などは、できる限り滞在先のセーフティボックスに保管しておきましょう。街中では日本人は経済的に豊かだと認識されているため、貴重品を身に着けているだけで犯罪者の標的になるリスクが高まります。
外出時に必要な貴重品は、体に密着するセキュリティポーチや隠しポケットを活用して分散させて持ち歩くことをおすすめします。スマートフォンも高価な盗難対象となるため、使用しない時はバッグの奥にしまい、人前で無造作に操作することは避けましょう。また、クレジットカードは複数枚持参し、それぞれ別の場所に保管することで、万が一の紛失や盗難時のリスクを分散できます。
流しのタクシーではなく配車アプリを使う
フィリピンでの移動には、路上で拾う流しのタクシーよりも、GrabやFoodpandaなどの配車アプリを積極的に活用することを強くおすすめします。流しのタクシーでは、メーターを使わずに高額な料金を請求されたり、遠回りされたりするトラブルが頻発しています。悪質な場合は、運転手が共犯者と連携して乗客を危険な場所に連れて行く犯罪も報告されています。
配車アプリを利用することで、運転手の身元や車両情報が事前に確認でき、料金も透明性が保たれます。また、移動ルートがGPSで追跡されるため、安全面でも大きなメリットがあります。配車アプリが利用できない地域では、滞在先やレストランのスタッフに信頼できるタクシー会社を紹介してもらうか、事前に料金交渉をしっかりと行ってから乗車するようにしましょう。
現地で声をかけてくる人には注意
フィリピンの観光地や繁華街では、日本人留学生に親しげに声をかけてくる現地の人に注意が必要です。「日本人の友達がいる」「安いお店を知っている」「写真を撮ってあげる」などの親切な申し出の裏に、詐欺や窃盗の意図が隠されている場合があります。特に一人で行動している日本人は、このような手口の格好のターゲットとなりやすいのが現状です。
見知らぬ人から声をかけられた場合は、礼儀正しく断り、その場を離れることが安全です。どうしても助けが必要な場合は、お店のスタッフや正式な観光案内所、制服を着た警備員などに相談するようにしましょう。また、親切な申し出を受けた場合でも、貴重品から目を離さず、人気のない場所への同行は絶対に避けることが重要です。現地の人々の多くは親切で温かい人たちですが、安全のために初対面の人との接触は慎重になることをおすすめします。
現金の持ち歩きは控えめに
フィリピンでは現金社会の側面が強いものの、多額の現金を持ち歩くことは大きなリスクとなります。強盗や窃盗の被害に遭った際、現金は回収が困難であり、被害額がそのまま損失となってしまいます。日常的な買い物や食事、交通費などに必要な最小限の現金のみを持参し、残りは滞在先のセーフティボックスに保管することが賢明です。
現金を持ち歩く際は、小額紙幣を複数の場所に分散させて保管しましょう。財布には少額のみを入れ、残りは隠しポケットやセキュリティポーチに分けて持つことで、万が一の被害を最小限に抑えることができます。また、ATMを利用する際は、人通りの多い場所にある銀行のATMを選び、夜間の利用は避けるよう心がけましょう。クレジットカードが使える店舗では積極的にカード決済を利用することで、現金の使用量を抑えることが可能です。
公共Wi-Fi使用時はセキュリティに注意
フィリピン滞在中に公共Wi-Fiを利用する際は、サイバーセキュリティリスクに十分注意する必要があります。カフェやホテル、空港などで提供される無料Wi-Fiは便利ですが、暗号化されていない場合が多く、悪意のある第三者によって通信内容を傍受される可能性があります。
特に銀行口座やクレジットカード情報、SNSのログイン情報など、重要な個人情報を扱う際は、必ずVPNサービスを使用することをおすすめします。また、自動接続機能をオフにして、必要な時だけWi-Fiに接続するよう心がけましょう。フィリピンでは「Free WiFi」などの名前で偽のアクセスポイントが設置されていることもあるため、接続前に施設スタッフに正式なWi-Fi名を確認することが重要です。
大使館の連絡先は控えておく
フィリピン滞在中のトラブルに備えて、在フィリピン日本国大使館および各領事館の連絡先は必ず控えておく必要があります。パスポートの紛失・盗難、事故・事件の被害、病気や怪我など、緊急事態が発生した際に迅速に対応してもらうことができます。
在フィリピン日本国大使館はマニラにあり、24時間緊急電話対応を行っています。また、セブ島やダバオにも領事館が設置されており、それぞれの管轄地域で日本人の安全確保をサポートしています。連絡先は携帯電話に登録するだけでなく、紙にも書いて別々の場所に保管しておくことで、万が一の際に確実に連絡が取れるよう準備しておきましょう。
日本人が狙われやすいことを意識する
フィリピンにおいて日本人は経済的に豊かだというイメージがあるため、犯罪者のターゲットになりやすい傾向があります。特に観光地や繁華街では、日本人であることが一目で分かってしまうような服装や行動は避けるべきです。
高価なアクセサリーやブランド品の着用、大金を持ち歩く行為、スマートフォンを無防備に使用することは控えましょう。また、日本語で大声で会話をしたり、観光ガイドブックを堂々と読んだりする行為も、現地に慣れていないことを周囲にアピールしてしまいます。現地の人々と同じような服装を心がけ、貴重品は分散して持ち歩くなど、目立たない行動を意識することが安全につながります。
宗教・文化に配慮した服装・言動を
フィリピンは約80%がカトリック教徒で、残りもプロテスタントやイスラム教など宗教的な背景を持つ人々が多く住んでいます。特に教会や宗教施設を訪問する際は、適切な服装マナーを守ることが重要です。
ノースリーブや短パン、ミニスカートなど肌の露出が多い服装は避け、長袖・長ズボンでの訪問を心がけましょう。また、ミンダナオ島南部などイスラム教徒が多い地域では、さらに厳格な服装規定がある場合があります。宗教的な話題についても、軽率な発言は避け、現地の文化や価値観を尊重する姿勢を示すことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
飲み物に薬物を混ぜられる犯罪への警戒
フィリピンの観光地やナイトライフエリアでは、飲み物に睡眠薬などの薬物を混入される犯罪が発生しています。この手口では、意識を失った隙に金品を盗まれたり、クレジットカードを悪用されたりする被害が報告されています。
見知らぬ人から勧められた飲み物は絶対に口にせず、自分で注文した飲み物も席を離れる際は処分するか、信頼できる同行者に見てもらうようにしましょう。特にバーやクラブでは常に警戒心を持ち、一人でいる時間をできるだけ短くすることが重要です。また、体調に異変を感じた場合は、すぐに安全な場所に移動し、必要に応じて医療機関を受診することをおすすめします。
留学や観光に人気の都市の治安レベル比較
マニラ:大都市ならではのスリや詐欺
首都マニラは政治・経済の中心地である一方、人口密度が高く治安面での課題も多い都市です。特にマカティやBGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)などのビジネス街は比較的安全ですが、マラテやエルミタなどの観光エリアでは窃盗やスリが頻発しています。
ジプニーやバス、LRT(軽量軌道交通)などの公共交通機関では、貴重品の管理に特に注意が必要です。混雑する車内でのスリ被害が多発しており、バッグは前に抱えて持つか、ジッパー付きの内ポケットに重要な物を入れるなどの対策を講じましょう。また、偽警察官による詐欺事件も報告されているため、職務質問を受けた際は身分証明書の提示を求め、疑わしい場合は近くの正式な警察署に移動することをおすすめします。
セブ島:観光客が多く比較的安全、ただし夜は注意
セブ島は日本人観光客や留学生に人気の高いリゾート地で、マニラと比較すると治安は良好とされています。特にセブシティの中心部やマクタン島のリゾートエリアは警備が充実しており、日中の活動であれば比較的安心して過ごすことができます。
しかし、夜間になると状況は変わります。コロン通りやマンゴーストリートなどの繁華街では、深夜の一人歩きは避けるべきです。また、ビーチエリアでも夜間は人通りが少なくなるため、ホテルや宿泊施設の敷地内で過ごすことを強くおすすめします。セブ島特有の注意点として、ダイビングやアイランドホッピングなどのマリンアクティビティを楽しむ際は、必ず信頼できる業者を選び、保険に加入しておくことが重要です。
ダバオ:大統領の地元で治安が良いと言われる都市
ミンダナオ島最大の都市ダバオは、ドゥテルテ前大統領の出身地として知られ、厳格な治安対策により比較的安全な都市として評価されています。市内では禁煙令が徹底されており、路上での喫煙に対する罰金制度なども整備され、秩序が保たれています。
ダバオの治安の良さは統計的にも表れており、重大犯罪の発生率は他の主要都市と比較して低い水準を維持しています。しかし、ミンダナオ島全体を見渡すと、南部地域では武装勢力による活動が確認されているため、ダバオ市外への移動時は最新の治安情報を確認することが必要です。また、ダバオでも基本的な防犯意識は欠かせず、夜間の単独行動や人気のない場所への立ち入りは控えるべきです。
バギオ・イロイロ:落ち着いた学園都市、治安も比較的良好
標高1500メートルに位置するバギオは、涼しい気候と落ち着いた雰囲気で知られる学園都市です。多くの大学や語学学校があり、教育レベルが高いことから治安も比較的良好とされています。山間部という地理的特徴により、大都市特有の雑踏や犯罪リスクが少ないのが特徴です。
イロイロ州の州都イロイロ市も同様に学園都市として発展しており、フィリピン中央大学をはじめとする高等教育機関が集中しています。両都市とも地方都市ならではの穏やかな環境が魅力的ですが、医療施設や緊急時のサポート体制は大都市と比較すると限定的な場合があります。長期滞在を予定している場合は、事前に医療保険の内容や最寄りの医療機関について確認しておくことをおすすめします。
留学先を迷われている方、ぜひ一度ご相談ください!
フィリピンを安全に楽しむための心構えと準備
フィリピンでの安全な滞在を実現するためには、事前の情報収集と適切な準備が不可欠です。現地の状況を正確に把握し、万が一の事態に備えた対策を講じることで、安心して旅行や滞在を楽しむことができます。
事前に治安情報をチェックする
フィリピン渡航前は、外務省の海外安全ホームページで最新の治安情報を必ず確認しましょう。危険情報や感染症情報、テロ関連情報など、安全に関わる重要な情報が随時更新されています。特にミンダナオ島西部・南部地域や南シナ海の一部海域など、危険レベルが設定されている地域については、渡航の是非を慎重に検討する必要があります。
現地の治安状況は日々変化するため、滞在中も定期的に情報をチェックすることが重要です。外務省の「たびレジ」に登録することで、現地の最新情報をメールで受け取ることができます。また、現地の日本人コミュニティやSNSグループに参加することで、リアルタイムの治安情報や注意喚起を得ることも可能です。信頼できる情報源から正確な情報を収集し、状況に応じて行動計画を柔軟に調整することが安全確保につながります。
トラブル時の対応方法と連絡先一覧
フィリピン滞在中にトラブルが発生した際は、冷静で迅速な対応が被害を最小限に抑える鍵となります。まず、身の安全を最優先に考え、危険な状況からは速やかに離脱することが重要です。
トラブルの種類 | 対応方法 | 主要連絡先 |
---|---|---|
緊急事態(事件・事故) | 直ちに現地警察に通報 | PNP 緊急番号:911 |
医療緊急事態 | 最寄りの病院へ搬送依頼 | Red Cross:143 |
領事・パスポート関連 | 大使館・領事館に連絡 | 在フィリピン日本国大使館:(02)8551-5710 |
盗難・紛失 | 警察署で証明書発行 | Tourist Police:(02)8524-1728 |
パスポートや貴重品を紛失・盗難された場合は、まず最寄りの警察署でポリスレポート(盗難・紛失証明書)を取得します。その後、日本国大使館または領事館で再発行手続きを行いますが、この際に戸籍謄本や写真などの書類が必要になる場合があるため、重要書類のコピーは別途保管しておくことをおすすめします。
まとめ|正しい知識と準備で、フィリピンは安全に過ごす
フィリピンは豊かな自然と温かい人々に恵まれた魅力的な国ですが、安全に滞在するためには適切な知識と準備が必要です。治安に関する正確な情報を事前に収集し、現地の文化や習慣を尊重する姿勢を持つことで、多くのトラブルは未然に防ぐことができます。
基本的な防犯意識を持ち続け、貴重品の管理や夜間の行動には特に注意を払いましょう。また、緊急時の連絡先を常に携帯し、信頼できる情報源から最新の治安情報を入手することで、安心してフィリピンでの時間を過ごすことができます。適切な準備と現地での注意深い行動により、フィリピンの美しい自然や文化を安全に楽しみましょう。
まずはお気軽にご相談ください!
サポート経験豊富なスタッフが丁寧に対応いたします。