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語学留学先として人気なフィリピン。毎年多くの方が訪れますが、病気やけが、盗難や航空機関係など何らかのトラブルに巻き込まれる方も少なくありません。いざトラブルが起きたあとに後悔してもどうしようもありません。「海外旅行保険」に加入するように推奨されていますが、果たしてそれは必要なのか?どんなものに入ればいいのか、どんなトラブルが起きる可能性があるのか詳しくご説明します。
「海外旅行保険」とはなにか
「海外旅行保険」とは海外旅行中や留学中の医療費や事故・盗難、航空トラブル時の補償を受けることができる保険です。フィリピンに語学留学する際は、語学学校から海外旅行保険の加入が入学条件として言われることもあります。大きく分けて「クレジットカードに付帯している保険」と「一般的な保険会社の海外旅行保険」の2種類があります。
クレジットカードに付帯している保険
これはクレジットカードの会社が保険会社と提携をすることで、無償サービスとして提供されている保険で、自動付帯の場合はクレジットカードを持ってさえいれば利用できるものになります。
(利用付帯の場合は事前にツアー利用や航空券などをカード決済する必要があります。)
最長で90日の適用期間の為、3か月以内の短期留学の方によく使われます。
しかし、保険会社の保険と違い、歯の治療が保険適用にならないことも多く、他にも利用条件があったり、補償内容が限定されていることもありますので必ず詳細の確認を行いましょう。
メリット | デメリット |
・いちいち加入手続きの必要がない ・改めて保険費用の支払いがない |
・長期の保険はない ・一般的な保険会社による保険より補償額が少ない |
一般的な保険会社の海外旅行保険
各保険会社が提供している海外旅行保険です。クレジットカードのものと違い、短期~長期と適用期間が選べるため、3か月以上の留学期間の方はこちらを選ぶといいでしょう。クレジットカード付帯保険で最初の3か月、保険会社の保険で残り2か月の合計5か月補償するなどはできません。出国から帰国まで通しての契約が必要となりますのでつぎはぎするようなプランは組めないので注意しましょう。
現地の病院でのキャッシュレス決済に対応しているものや、英語対応を手助けしてくれるものなど自分に必要な部分が手厚いものを選びましょう。
メリット | デメリット |
・補償内容が手厚い ・医療通訳サポートがある場合がある |
・保険費用がかかる ・手続きに時間がかかる |
海外旅行保険って必要?
日本では国民の義務として健康保険に入っている為、保険を意識することは少ないかもしれません。
使うかどうかもわからない保険に入る必要があるのか?自分は体が丈夫だから入らなくても何とかなる、と思う方もいるかもしれません。
しかし、病気や事故は予測できるものではありません。そして、海外では日本よりもずっと感染症や盗難などのトラブルにあうリスクが高いのです。
そんな時に役に立つのが「海外旅行保険」
語学学校によっては加入が義務付けられていますが、そうでない方も万が一に備えて入っておくことを強くおすすめします。
日本人によくあるトラブル①「盗難」
日本と同じ感覚で過ごしているとあっという間に盗難被害にあいます。フィリピンではスリや置き引きなど軽犯罪が多発しています。フィリピンに限らず海外ではよくあることなので、必要以上に怖がる必要はありませんが、ポケットにものを入れる、歩きスマホや公共機関でのうたた寝…こんなことをしてしまうとお財布や携帯電話などの貴重品はすぐ盗難されます。気を付けるのは外出時だけでなく、ホテルや寮内、学校内でも注意が必要です。
海外旅行保険では「損害分野」と言われる所持品の紛失や盗難されたときに補償してもらえます。被害にあった場合は現地の警察署へ行き、盗難証明書(ポリスレポート)を発行してもらいましょう。
日本人によくあるトラブル②「腹痛・嘔吐・下痢」
水道水を飲んではいけないことは割と有名ですが、日本とは異なった衛生状況や水質が異なるといった点から食べ物や飲み物でもおなかを壊してしまうことが多くあります。現地の環境に慣れてくると同時に態勢がついていくことが多いですが、加熱処理されていないものは食べない、屋台料理などは気を付けるといった対策を心がけましょう。
日本と違って健康保険がないため全額自己負担での治療となりますが、海外旅行保険で補償を受けることができます。病院にて診察証と治療証明書を発行してもらいましょう。(キャッシュレスの病院の場合、直接保険会社から病院へ支払われる為、要確認)
日本によくあるトラブル③「咽頭炎・風邪」
排気ガスや粉塵などの有害物質、慣れない環境での疲れなどで喉をいためたり発熱する方が多くいらっしゃいます。日本であれば風邪薬渡されて要安静と帰宅するような場合でも、フィリピンでは入院となる場合も多く、医療費がかさむことがあります。海外旅行保険で補償してもらえば出費をかなり減らすことができるでしょう。こちらも病院にて診察証と治療証明書を発行してもらいましょう。(キャッシュレスの病院の場合、直接保険会社から病院へ支払われる為、要確認)
初期では風邪と間違えられることもあるコロナウイルスですが、どんなに気を付けたとしてもフィリピンでかかってしまうことはあります。
こちらは現地での治療費はもちろん、帰国後にも一定期間内で発症した場合も補償されることもあります。またコロナにかかったことが原因で帰国が伸びた場合、熱いは留学自体をキャンセルした場合も補償が受けられることもありますので確認しましょう。
しかし、自主隔離の際のホテル代や自身で行ったPCR検査代金は対象外となることが多いので気を付けましょう。
日本によくあるトラブル④「飛行機の遅延・欠航」
天候やトラブルの発生により飛行機が遅れたり、欠航となることがあります。
6時間以上の遅延等の条件があることもありますが、飛行機の遅延や欠航により発生したホテル代などは海外旅行保険で補償されます。また直行便で起こることはあまりないですが「ロストバゲージ」と言われる荷物の紛失に関しても補償される場合があります。
他にも…
デング熱・アメーバ赤痢・腸チフス・食中毒・麻疹・A型肝炎・狂犬病…等、厄介な病気もありますので、保険にあるなしにかかわらず、よく気を付けましょう。
フィリピンの医療事情
フィリピン現地の医療の水準は、滞在する都市やエリアによってかなり異なります。
マニラやセブ島などの大都市や観光地などでは大きい病院や大学病院が充実しており、他の先進国と同じ水準の医療を受けることができます。
日本人が多い都市では、日本語のヘルプデスクを常駐させ、日本語での診察が可能な病院もあります。
地方では日本人にとっては設備や衛生状況があまり良くないと感じる小さいクリニックなどしかない場合もあります。留学をする場合、事前に状況を確認しておきましょう。
フィリピンの病院事情
フィリピンの病院は「オープンシステム」という日本では聞きなれない仕組みを採用しています。
総合病院内(または病院近辺)に独立した医師がクリニックを開業し、診察はそこで行い、検査施設や入院施設は共同で使用するというものです。日本でいうと総合病院というより共用部分のある医療ビルのようなシステムです。そのため検査は別棟だったり、同じ診療科が複数あったりと複雑な構造になっています。
英語に自身がない方はジャパニーズヘルプデスクと呼ばれる日本語対応が可能な病院に行きましょう。
フィリピンの治療費
費用については、公立と私立で金額に差があります。
またキャッシュレス対応かどうかで一時的に現金で治療費を払う必要があるか、ないかも変わってきます。
あくまで一例となりますが、相場として以下程になります。
初診料 | 約1,900円~約3,500円 |
入院時の部屋代 | 約8,200円(1日) |
ICU入院代 | 約15,200円 |
レントゲン | 約9,400円 |
救急車 | 約8,200円(民営のみ/公営は無料) |
風邪 | 約20,000円(診療費) |
骨折 | 約500,000円(入院費+手術費) |
デング熱 | 約400,000円(輸血などの処置があるとさらに高額になる) |
アメーバ赤痢 | 約200,000円(診療費+入院費) |
食中毒 | 約250,000円(診療費+入院費) |
海外旅行保険の内容
海外旅行保険の主要な内容は以下の内容があります。
治療費用 | 携行品損害 | 緊急費用 | 特殊費用 |
・治療費用 ・傷害後遺障害 ・損害死亡 ・疾病死亡 ・歯科治療費用 |
・盗難 ・損害 |
・旅行事故緊急費用 ・救援費用 ・緊急支援サービス |
・渡航キャンセル ・個人賠償責任 ・一時帰国 |
保険会社によってプランや費用は異なりますが「治療、救援費用」「携行品損害」「緊急費用」といった点はどの保険会社を選択しても大差なく補償してくれます。
保険料に救急車の利用が含まれているか、加入年齢の制限があるか、支払い方法が選べるかなど、様々な特約の違いや便利な特殊費用の補償が入っているかによって差が出てきます。
クレジットカード付帯ではないものを選ぶ場合は手続きに時間がかかりますので、早めに資料請求をして調べておきましょう。留学生プランを用意しているところもあります。
現地で一度現金で支払い、帰国後に請求するといった手間をなくしたい場合はキャッシュレス対応可能なものを選べばその手間がなくなります。また現地でトラブルが起こった場合、すぐに連絡が取れたり、状況確認から適切な行動をアドバイスしてくれたり、保障の手続きをしてくれる緊急支援サービスというものもあります。自分に必要なものを選んで加入しましょう。
保険料金の相場
相場といっても、補償内容によって大幅に変わりますが、主に人気な価格帯としては以下となります。
10日間 | 約3000~8,000円 |
1ヶ月 | 約10,000円~20,000円 |
3ヶ月 | 約50,000円~65,000円 |
6ヶ月 | 約100,000円 |
保険医療費は、現地の医療水準に即した範囲であれば受けられるものの中で加入することになります。
高額な保険に加入しても、現地で治療が不可の場合、受けられません。
風邪や食中毒、その他考えうる疾病やケガについては補償内であることが多く、妊娠に関わる診察の場合、補償外であったり別途プランへの加入が必要な場合もあります。よく考えると自分の留学プランにあまり合わないこともあるかもしれません。しっかり吟味しましょう。
まとめ
義務でない場合もある「海外旅行保険」ですが、万が一に備えて加入することをおすすめします。
外務省でも加入をおすすめしています。(外務省 海外安全ホームページ)
考えられるリスクにしっかりと事前に備えて、安心して留学に行きましょう。
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